「災害が起きても、うちの子は避難所に行けるだろうか」
不登校の子や、音・光・においなどに敏感な子を育てる家庭では、そんな不安を感じることがあるかもしれません。
大勢の人が集まる場所、慣れないトイレ、知らない人の声。
学校が避難所になっている場合は、その場所へ向かうこと自体がつらい子もいるでしょう。
もちろん、不登校の子がみんな避難所を苦手とするわけではありません。
困ることも、安心できる条件も、一人ひとり違います。
だからこそ大切なのは、「その子に合った逃げ方」を普段から考えておくことです。
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1.「行きたくない」の奥にある不安を知ろう

子どもが「避難所には行きたくない」と言ったとき、わがままだと決めつけず、何がつらいのかを探してみましょう。
「人が多いと落ち着かない」「放送の音が怖い」「同級生に会いたくない」など、理由が分かれば、準備できることも見えてきます。
感覚過敏のある子にとっては、周囲が気にならない音や光でも、大きな苦痛になる場合があります。
国立障害者リハビリテーションセンターも、大勢の人がいる環境が苦痛で、避難所内にいられない人がいることを伝えています。国立障害者リハビリテーションセンター
話すのが難しければ、「音が気になる?」「知らない人がいると不安?」と、答えやすい聞き方でも構いません。紙に書いたり、写真を見ながら選んだりする方法もあります。
災害の話を一度にたくさんする必要はありません。
落ち着いているときに、少しずつ「何があれば安心できそうか」を一緒に考えてみてください。
2.避難先は一つに決めなくてもいい

避難所が苦手だと、「避難できない」と感じてしまうかもしれません。
でも、避難とは危険を避けて安全を確保すること。
学校や公民館へ行くことだけが避難ではありません。
安全な場所にある親戚・知人宅なども、避難先の選択肢になります。kantei.go.jp
まずはハザードマップで、自宅や候補地に、浸水・土砂災害・津波などの危険がないか確認しましょう。移動する道の安全も大切です。
例えば、「大雨のときは早めに親戚宅へ」「そこに行けない場合は指定された避難先へ」と、複数の候補を用意します。
親戚宅へ行くなら、受け入れてもらえるか事前に相談しておきましょう。
在宅避難も、安全が確保できる場合の選択肢です。
ただし、「子どもが外に出たがらないから」という理由だけで、危険な自宅にとどまらないことが大切です。
災害の種類によって、安全な場所は変わります。
命を守るために一時的に逃げる場所と、その後に生活する場所を分けて考えると、計画を立てやすくなります。
3.「いつもの安心」を持ち出せるようにしよう

水や食料、携帯トイレなどの備えに加えて、その子が落ち着ける物も用意しておきましょう。
例えば、次のような物です。
- 使い慣れたイヤーマフや耳栓
- 好きなタオル、小さなぬいぐるみ
- 食べ慣れた食品や飲み物
- 着心地のよい衣類
- 本や、通信なしでも楽しめる物
音や光への対策として、イヤーマフやサングラスなどの使用も公的な支援資料で紹介されています。
ただし、本人が使いやすい物を選び、移動中は周囲の危険や声かけにも気づけるよう配慮しましょう。mhlw.go.jp
また、困ったときに口で説明できるとは限りません。
「大きな音が苦手です」「短い言葉で説明してもらうと理解しやすいです」など、必要な配慮をメモにしておくと役立ちます。
診断名や不登校の経緯を詳しく書く必要はありません。
「何に困るか」「どうしてもらうと助かるか」を、本人の気持ちも確かめながらまとめましょう。
4.小さな練習と事前相談で、逃げやすくする

避難の練習は、最初から大勢が集まる訓練に参加しなくても始められます。
避難先の写真を見る、地図で道を確認する、建物の近くまで行ってみる。
本人が取り組めそうなところからで十分です。
「どこへ行くのか」「誰と行くのか」「着いたら何をするのか」を短く伝えておくと、見通しを持ちやすくなります。
避難所での生活に不安がある場合は、平時に自治体の防災担当や福祉の相談窓口へ相談してみましょう。
「人の出入りが少ない場所を相談できるか」「別室を使える可能性はあるか」など、具体的に聞くことが大切です。対応できる環境は施設によって異なるため、事前の確認が役立ちます。
大雨など事前に予測できる災害では、支度や移動にかかる時間を考え、早めに動く計画を。地震や津波など、すぐに行動が必要な場面では、安全確保を優先します。
避難計画は、一度で完成させなくても大丈夫です。子どもの気持ちや成長に合わせて、何度でも見直せます。
「どうすれば、この子と安全に逃げられるか」
その視点で、今日できる小さな備えから始めてみませんか。
まとめ|避難所が苦手な子のために用意したいグッズ(年齢別)
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本文でも触れたとおり、避難所の「音」への対策は、音が苦手な子にとって大きな助けになります。
ここでは、子どもの年齢別におすすめの防音イヤーマフをまとめました。
普段の花火大会やお祭りで「つける練習」をしておくと、災害時にも嫌がらずに使えます。
⭕️0〜3歳:乳幼児には、締め付けの弱いベビー専用を
赤ちゃんの頭は柔らかいため、大人用・子ども用の流用は避けたいところ。こちらは36か月まで使えるベビー専用で、頭を締め付けずに音を約23dB(SNR)下げてくれます。重さは115gと軽く、ソフトなヘッドバンドで調整するタイプ。カラーは4色から選べて、キャリングケースも付いています。避難所のざわめきや周りの泣き声の中でも、少しでも眠れる環境を作ってあげたいときに。花火大会など日常の大きな音対策にも使えます。
⭕️1歳頃〜7歳:未就学児には、防音の定番ブランドを
工事現場などでも使われる防音の定番ブランド、3Mの子ども用モデル。対象は1歳頃から7歳くらいまでで、遮音は約21dB(NRR)。「大きな音が怖い」「人の声が気になって眠れない」という子に。平時からイベントなどで慣らしておくのがおすすめです。なお、こちらは並行輸入品で説明書は英語表記です。
⭕️5~16歳:小学生〜中高生は、つけ心地の良い本命モデルを
聴覚保護の専門メーカーALPINEの代表モデル。最大25dBの音量低減で、クッションが柔らかく側圧が弱めなのが特長です。音に敏感な子が長時間つけても疲れにくい作りで、避難所の放送やざわつきを「遠く」してくれます。重さは175gと軽く、折りたたんでキャリングケースに収納できるので非常用持ち出し袋にも入れやすいです。カラーは5色から選べるので、「自分のもの」として用意してあげるのもおすすめ。正規輸入品です。
⭕️まずは試したい方へ:2000円前後の入門モデル
手に取りやすい価格帯の商品で、家族分をそろえたい場合の現実的な選択肢です。
【イヤーマフ選びの注意点】
- イヤーマフは音をゼロにするものではなく、「下げて遠くする」ものです。呼びかけが聞こえる範囲の方が、避難所ではむしろ安全です
- サイズが合わないと効果が落ちるため、対象年齢の確認と、平時の試着・練習が大切です
- 耳に直接触れるものなので、子ども用は新品での用意がおすすめです


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