個人情報の漏えいに関するニュースを見ると、自分や家族の情報がどこまで知られているのか、不安になることがあります。
災害時には、安否確認や支援のために情報を伝える機会が増えます。
混乱の中で慌てないよう、情報の扱いも普段から考えておきたい備えです。
大切なのは、誰でも見られる場所に公開する情報と、救助・支援の担当者に伝える情報を分けること。
今回は、SNSの安否発信、避難所の写真、不審な支援連絡、支援に必要な情報という4つの場面から、できる工夫を紹介します。
安否を伝えるとき

地震や大雨のあと、SNSに「無事です」と投稿すると、家族や知人に安心してもらえることがあります。
ただし、公開範囲によっては、知らない人もその投稿を見られます。
自宅の詳しい住所、電話番号、家族の現在地などを、まとめて公開する必要があるか確認しましょう。
「家族全員で避難中」「自宅には誰もいません」といった内容も、不特定多数に知らせる前に慎重に考えたい情報です。
詳しい避難先や連絡先は、家族など必要な相手へ個別のメッセージで伝える方法があります。
平時に家族で、安否を伝える相手や連絡方法を決めておくと、慌てずに対応しやすくなります。
一方、救助が必要な場合は、119番などで場所、けがの状態、取り残されている人数などを具体的に伝えることが優先です。
情報を控えすぎて、助けを求めるのをためらわないでください。
SNSで助けを求める場合も、救助に必要な情報と、無関係な個人情報を分けて考えましょう。
避難所の写真を投稿するとき

避難所の状況を写真で伝えたいときは、ほかの人の生活やプライバシーにも配慮が必要です。
避難所は、多くの人にとって一時的な生活の場所。撮影されること自体を負担に感じる方もいるかもしれません。
写真には、顔や名札だけでなく、受付名簿、掲示された氏名、荷物の住所ラベル、お薬手帳などが写り込むことがあります。
画面を拡大して、端や背景まで確認してみましょう。
撮影の前に、避難所のルールや撮影してよい場所を担当者に確認します。
人が写る場合は、撮影とSNSへの公開について本人の意向を確かめ、同意が得られなければ写さないようにしましょう。
子どもが写る場合は、保護者にも確認してください。
撮影の許可があっても、公開まで了承されたとは限りません。
眠っている姿、着替えや授乳、体調が悪い場面などは、特に配慮が必要です。顔をぼかしても、服装や周囲の物から誰か分かる場合があります。
写真がなくても、文章で「物資が不足しています」などと伝える方法はあります。
状況を知らせる目的に合った、必要な範囲の発信を心がけたいですね。
支援を名乗る連絡が来たとき

災害後の不安や、「被災した人を助けたい」という気持ちにつけ込む詐欺にも注意が必要です。国民生活センターは、災害に便乗して義援金を求める不審な電話や訪問などについて注意を呼びかけています。[1]
「支援金の申請はこちら」「寄付の手続きをしてください」というメールやDMが届いても、そのリンクからすぐに個人情報を入力しないようにしましょう。
相手が自治体や有名な団体を名乗っていても、名前だけで判断しないことが大切です。
自分で公式サイトを開き、掲載されている窓口や申請方法を確認します。
問い合わせる際も、届いたメッセージの電話番号だけを頼らず、公式サイトなどで確かめた連絡先を使いましょう。
正規の支援申請では、本人確認や振込先の情報が必要になる場合があります。
口座番号を求められたという理由だけで詐欺と決めつけず、窓口と利用目的を確認してください。
ただし、口座の暗証番号やログインパスワード、認証コードを相手に伝えるのは避けましょう。
「今すぐ」「今日だけ」と急かされたら、いったん立ち止まる。
ひとりで判断せず、家族や信頼できる窓口に相談することも備えになります。
支援に必要な情報は担当者へ

個人情報を守ろうとするあまり、救助や支援に必要な情報まで伝えられなくなるのは避けたいところです。
持病、服薬、アレルギー、介助の必要性などは、安全に過ごすための支援につながる情報です。
避難所の担当者や医療・福祉のスタッフなど、対応する人に必要な範囲で伝えましょう。
人前では話しにくい場合は、「周りに聞こえない場所で相談したいです」と申し出てみてください。書類は提出先を確かめ、自分で持つ控えも置きっぱなしにしないようにします。
個人情報保護委員会は、生命・身体・財産の保護に必要で、本人の同意を得ることが困難な緊急時には、関係者へ情報を提供できる場合があると説明しています。
[2] このような支援のための共有と、SNSで誰にでも見える形で公開することは、目的も相手も異なります。
防災の備えは、水や食料だけではありません。
「誰に、何を、何のために伝えるか」を考えることも、自分と周囲の人の安心を守る備えです。
投稿前のひと確認と、必要な支援につながる情報提供。どちらも大切にしていきましょう。


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