赤ちゃんがいる家庭が被災した場合、どこで避難生活を送ればよいのでしょうか。
一般の避難所では、夜泣きや授乳、おむつ交換、ミルクの調乳など、赤ちゃん特有の問題があります。周囲へ気を遣い続け、保護者が十分に休めなくなることも考えられます。
自宅が安全なら、在宅避難は赤ちゃんと家族が落ち着いて過ごしやすい選択肢です。
しかし、「赤ちゃんがいるから在宅避難」と決めつけるのも危険です。
この記事では、赤ちゃんがいる家庭の在宅避難、避難所、福祉避難所、車中泊について考えます。
※この記事にはアフィリエイト広告を含みます。
避難とは「避難所へ行くこと」だけではない
避難とは、災害の危険から離れ、安全を確保することです。
避難先には、次のような選択肢があります。
・安全が確認できた自宅
・安全な地域にある親戚や知人の家
・指定避難所
・福祉避難所
・ホテルや旅館
・自治体などが用意した一時的な車中泊避難場所
赤ちゃんがいる家庭は、避難所だけを前提にせず、複数の避難先を考えておくことが大切です。
在宅避難ができる条件
在宅避難は、住んでいる場所と建物が安全であることが前提です。
ハザードマップを確認し、次のような危険がないか調べておきましょう。
・津波や洪水による浸水
・土砂災害
・大規模な火災
・建物の倒壊
・余震による家具や家電の転倒
・停電や断水による生活への影響
自宅が浸水想定区域や土砂災害警戒区域にある場合、災害が迫ってから赤ちゃんを連れて移動するのは大変危険です。
気象情報や避難情報を確認し、できるだけ明るいうちに早めの避難を始めましょう。

自宅の安全が確認できたら在宅避難も選択肢
建物や周辺に危険がなく、生活を続けられる状態なら、在宅避難には次のような利点があります。
・赤ちゃんが泣いても周囲へ気を遣いにくい
・普段の寝具や育児用品を使える
・授乳やおむつ交換のプライバシーを保ちやすい
・家族が比較的落ち着いて過ごせる
・感染症との接触を減らせる
ただし、在宅避難者も被災者です。
食料や水、支援物資、給水場所などの情報を受け取れるよう、自治体や地域の避難所へ在宅避難していることを伝えましょう。
福祉避難所は乳幼児も対象になる?
内閣府のガイドラインでは、福祉避難所の対象として、高齢者、障害者、妊産婦、乳幼児、病弱者などが挙げられています。
ただし、すべての乳幼児が必ず福祉避難所へ直接避難できるわけではありません。
自治体によって、対象者、受け入れ施設、開設する時期、直接避難ができるかどうかが異なります。
一般の避難所で状況を確認してから福祉避難所へ移る場合もあります。
平時のうちに、自治体の防災担当課や子育て支援担当課へ、次のことを確認しておくと安心です。
・乳幼児や妊産婦を受け入れる福祉避難所があるか
・災害時に直接避難できるか
・事前登録が必要か
・家族も一緒に滞在できるか
・乳児用ミルクやおむつの備蓄があるか
車中泊は「短期的な避難」として考える
車は家族だけの空間を確保できるため、夜泣きなどで周囲へ気を遣わずに済む場合があります。
しかし、赤ちゃんとの車中泊には多くの危険があります。

🌟暑さと寒さ
赤ちゃんは大人より体温調節が未熟です。短時間でも車内温度が急激に上がるため、夏の車中泊には特に注意が必要です。
冬もエンジンを停止すると車内温度が下がり、低体温になる危険があります。
🌟一酸化炭素中毒
エンジンをかけたまま眠ると、排気ガスによる一酸化炭素中毒の危険があります。
積雪や泥などでマフラーがふさがれると、排気ガスが車内へ入り込むおそれがあります。
🌟エコノミークラス症候群
狭い車内で長時間同じ姿勢を続けると、保護者に血栓ができる危険があります。
水分を取り、定期的に身体を動かすことが大切です。
🌟ミルクやおむつの衛生
粉ミルクには安全な水と十分に熱いお湯が必要です。
哺乳瓶を洗浄・消毒できない環境では、液体ミルクや使い捨てできる授乳用品も役立ちます。
使用済みのおむつを密閉する防臭袋や、手指を清潔に保つための用品も準備しておきましょう。
車中泊は長期の避難生活には適していません。
やむを得ず利用する場合は、安全が確認された場所に駐車し、自治体や避難所へ居場所を伝えましょう。
災害時の備えとして検討できる商品です。
月齢や普段の授乳方法に合うものを選びましょう。
赤ちゃんに必要なのは「泣いても大丈夫な場所」
赤ちゃんへの災害支援は、おむつやミルクを配るだけでは十分ではありません。
避難所には、次のような環境が求められます。
・人目を避けて授乳できる場所
・安全で衛生的に調乳できる場所
・おむつ交換と使用済みおむつの保管場所
・親子が横になって休めるスペース
・月齢やアレルギーに対応した離乳食
・保健師や助産師などに相談できる体制
・赤ちゃんが泣いても責められない雰囲気

一般の避難所の中に、乳幼児のいる家庭向けの部屋や区画を設けることも必要です。
赤ちゃんが泣くことを迷惑と考えるのではなく、赤ちゃんと保護者を地域全体で支える避難所づくりが求められます。
赤ちゃんがいる家庭で備えておきたいもの
普段使っているものを基本に、少なくとも数日分、できれば物流の停止を想定した余裕のある量を備えておきましょう。
・紙おむつ
・おしりふき
・防臭袋とごみ袋
・液体ミルクや粉ミルク
・使い捨てできる授乳用品
・離乳食と赤ちゃん用のおやつ
・飲料水
・着替えと防寒用品
・抱っこひも
・母子健康手帳とお薬手帳
・常用薬
・赤ちゃんが落ち着けるおもちゃ
・モバイルバッテリー
液体ミルクや離乳食には賞味期限があります。
普段から食べたり飲んだりして、使った分を買い足すローリングストックがおすすめです。

災害時の備えとして検討できる商品です。
月齢や普段の授乳方法に合うものを選びましょう。
まとめ|避難先を一つに決めないことも大切な備え
赤ちゃんがいる家庭では、自宅が安全なら在宅避難も有力な選択肢です。
しかし、自宅や周辺に浸水、津波、土砂災害、火災、倒壊などの危険がある場合は、在宅避難にこだわってはいけません。
まず、命を守れる場所へ避難する。
その後、自宅の安全が確認できれば在宅避難へ戻ることもできます。
親戚や知人宅、避難所、福祉避難所、ホテルなど、複数の選択肢を平時から考えておきましょう。
そして社会には、赤ちゃんが泣いても保護者が謝らなくてよい、安心して過ごせる避難場所が必要です。
赤ちゃんと家族を守ることを、家庭だけの責任にしない。
地域全体で支えられる避難環境を考えていくことも、大切な防災です。
【参考資料】
・こども家庭庁「避難所等で生活している妊産婦・乳幼児に対する支援の手引き」
・内閣府「福祉避難所の確保・運営ガイドライン」
・内閣府「在宅避難者・車中泊避難者等の支援」


コメント