地震が起きたとき、店舗で働くスタッフは、まずお客様対応を優先します。
店内にいるお客様を安全な場所へ誘導したり、商品の落下やガラスの破損がないか確認したり、混乱しないよう声をかけたりします。
それは店舗で働く者として、とても大切な役割だと思います。

私は現在、ドラッグストアで働いています。
地震などの災害について考えたとき、勤務中のスタッフの持ち物について、ふと強く感じたことがあります。
そのとき、スタッフ自身のスマホや車の鍵、財布、貴重品はどこにあるのだろう。
すぐに持って避難できる状態になっているのだろうか。
多くの店舗では、勤務中の私物はロッカーに入れておく決まりになっています。
スマホ、財布、車の鍵、家の鍵、身分証、常備薬など、もしものときに必要になるものも、勤務中は手元にありません。
普段ならそれで問題はありません。
でも、大きな地震や災害が起きたときはどうでしょうか。
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ロッカーが店舗の奥にあるという現実
店舗によっては、従業員用ロッカーが売り場の奥やバックヤードの奥にあります。
普段はそれで困らなくても、地震の直後は状況がまったく変わります。
棚から商品が落ちていたり、通路がふさがれていたり、ガラスや液体が床に散らばっていたりするかもしれません。
余震が続いている中で、店舗の奥までスマホや鍵を取りに戻ることは、本当に安全なのでしょうか。
「貴重品を取りに戻りたい」
「家族に連絡したい」
「車の鍵がないと帰れない」
「会社に状況を報告したい」

そう思っても、ロッカーまで行くこと自体が危険な場合があります。
この問題は、単に「スタッフがちゃんと準備していなかった」という話ではないと思います。
勤務中のルールとして私物をロッカーに置くことになっているなら、災害時にその私物を取りに行けない可能性まで考えておく必要があります。
スタッフにも家族がいる
災害時、店舗スタッフはお客様を守る側として見られがちです。
もちろん、お客様の安全を考えることは大切です。
でも同時に、スタッフも被災者の一人です。
家族がいて、家があって、帰る場所があります。
小さな子どもや高齢の家族、持病のある家族がいる人もいます。
大きな地震が起きたとき、家族の安否を確認したいと思うのは自然なことです。
でも、スマホがロッカーの中にあれば、すぐに連絡できません。

会社や責任者に報告しようにも、連絡手段が手元にありません。
車通勤の人なら、車の鍵がなければ帰宅もできません。
財布や身分証がなければ、避難先で困ることもあります。
お客様対応を優先することと、スタッフ自身の安全や安心を守ること。
この二つは、どちらか一方を犠牲にするものではないはずです。
「持ち込み禁止」だけで終わらせないでほしい
店舗では、スマホの持ち込みや貴重品の携帯にルールがある場合があります。
接客中に私用で使わないため、防犯上の理由、業務に集中するためなど、理由があることも理解できます。
ただ、災害時まで同じ考え方でいいのかは、見直す余地があると思います。

たとえば、勤務中でも緊急時用としてスマホを身につけられるルールを作る。
車の鍵や家の鍵、常備薬だけは小さなポーチで携帯できるようにする。
従業員用の非常持ち出し袋を、出口に近い場所に置く。
災害時の連絡方法を、あらかじめ店舗内で共有しておく。
こうした小さな仕組みがあるだけで、スタッフの不安はかなり変わると思います。
「何かあったらロッカーに取りに行く」ではなく
「取りに戻らなくても避難できる」ことを前提にした防災が必要ではないでしょうか。
店舗防災はお客様だけでなくスタッフのためにも
防災というと、お客様の避難誘導や店舗設備の安全確認が中心になりがちです。
でも、実際にその場で動くのは店舗スタッフです。
スタッフ自身がスマホも鍵も持てず、不安を抱えたままでは、冷静な対応を続けることも難しくなります。
スタッフの安全が守られてこそ、お客様への対応も成り立つのだと思います。
これは、特定の会社や店舗だけの問題ではありません。
ドラッグストア、スーパー、コンビニ、ホームセンター、飲食店など、多くの小売・接客の現場に共通する課題だと思います。

災害は、勤務時間を選んでくれません。
休憩中に起きるかもしれないし、レジ対応中に起きるかもしれない。
閉店間際かもしれないし、混雑している時間帯かもしれません。

だからこそ、普段から
「そのときスタッフは何を持っているのか」
「どうやって家族や会社と連絡するのか」
「鍵や薬が手元にない場合どうするのか」
を考えておく必要があります。
個人の不安ではなく、現場からの防災提案として
私が伝えたいのは、誰かを責めたいということではありません。
ただ、地震のときに店舗スタッフは、下記の不安を抱えることになります。
⭕️スマホも車の鍵も貴重品も持っていないこと
⭕️ロッカーが店舗の奥にあれば、取りに戻ることが危険になること
⭕️家族にも会社にも連絡できず、帰宅もできない可能性があること
これは、もっと多くの人に知ってほしい現場の不安です。

スタッフ個人の努力だけでは限界があります。
だからこそ、店舗防災の一つとして、勤務中の持ち物や連絡手段について見直してほしいと思います。
お客様を守るためにも、まずスタッフ自身が安全に行動できる環境を整えること。
それが、これからの店舗防災に必要な視点ではないでしょうか。
最後に
私自身、この問題を考える中で
「最低限、いざという時にすぐ持ち出せるようにしておくこと」
が大切だと感じました。
実際に、仕事中ずっと身につけられるものは限られています。
私の場合、普段から持ち歩いているのは、ペン型のミニライトくらいです。
スマホショルダーや貴重品ポーチを勤務中に身につけるのは、職場のルールや仕事内容によっては難しいと思います。
だからこそ、スマホ、車の鍵、財布、身分証、常備薬、モバイルバッテリーなどを非常時にすぐ持ち出せるよう、ひとつにまとめておくことが大事ではないでしょうか。
大きな防災リュックを職場に持ち込むのは難しくても、まずは
「取りに戻れない前提で、どう備えるか」
を考えることはできると思います。
このブログを読んでくださった皆様が、災害時にご自身の命を守れますように。
そして、誰かを守る立場の人たち自身も、きちんと守られる社会になりますように。



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