hacomama-outdoor.com/login_61170 イタリアの避難所に学ぶ|TKB48とは?災害関連死を防ぐ取り組み | 楽しく備える!はこまま防災アウトドア
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災害関連死を防ぐ避難所づくり🌟イタリアに学ぶTKB48とは

日本では大きな災害が起こると、学校の体育館などが避難所として開設されます。

しかし、硬い床での雑魚寝、使いにくいトイレ、冷たい食事、プライバシーのない生活など、厳しい環境が続くことも少なくありません。

災害から助かった命が、その後の避難生活によって失われてしまう。

そんな「災害関連死」を防ぐために、今、日本でも注目されているのがイタリアの避難所支援とTKB48」(トイレ・キッチン・ベッドを48時間以内に整える)です。

この記事では、イタリアの避難所から日本が学べることを、分かりやすくご紹介します。

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避難所の環境が命を左右する

災害からは助かったものの、その後の避難生活による体調悪化や持病の悪化などによって亡くなることを「災害関連死」といいます。

避難所で硬い床の上に長時間横になっていると、十分に体を休めることができません。

また、トイレが遠い、汚れている、数が足りないといった理由から、水分や食事を控えてしまう人もいます。

その結果、脱水症状やエコノミークラス症候群、感染症、持病の悪化などにつながる可能性があります。

特に、高齢者や障害のある方、妊婦、乳幼児、持病のある方にとって、避難所の環境は命に関わる問題です。

避難所は、ただ雨風をしのぐ場所ではありません。

被災した人の健康と尊厳を守り、生活を立て直すための大切な場所なのです。

過去の災害を教訓に変えたイタリア

イタリアも、日本と同じように地震や洪水、火山噴火などが多い国です。

現在は災害対応が進んでいる国として紹介されますが、最初から今の体制が整っていたわけではありません。

大きな転機となったのが、1980年に発生したイルピニア地震です。

この地震では約2700人が亡くなり、被害情報の混乱や救援の遅れ、関係機関の連携不足も問題となりました。

その反省から、1982年に首相府内に市民保護局が設置され、1992年の法律で全国的な市民保護システムの要となりました。

市民保護局は、国や地域、自治体、消防、医療機関、ボランティアなどをつなぎ、災害対応を調整する役割を担っています。

大きな災害の失敗をそのままにせず、制度や支援体制を変えてきたことが、イタリアの防災の大きな特徴です。

※イタリアの耐震基準や市民参加型の防災活動については、こちらの記事で詳しく紹介しています。

【内部リンク:地震大国イタリアに学ぶ防災|耐震基準と市民参加の地震対策】

イタリアの避難所では何が用意される?

災害の規模や地域によって差はありますが、イタリアでは被災地の外から資機材や人材を送り、避難生活を支える体制が整えられています。

  • 簡易ベッドを備えた居住用テント
  • トイレや個室型のシャワー
  • 温かい食事を作るキッチン設備
  • 食事をするためのスペース
  • 医療や福祉の支援を行う設備
  • プライバシーに配慮した空間

特に印象的なのが、温かく栄養に配慮した食事です。

日本の避難所では、発災直後にパンやおにぎりなど、すぐに配れる食品が提供されます。

もちろん大切な支援ですが、それが長く続くと栄養が偏る可能性があります。

温かい料理を食べ、誰かと顔を合わせ、少し会話をする。

その時間は、被災した人の体力だけでなく、心を支えることにもつながります。

すべての災害や避難所で同じ設備が整うわけではありませんが、できるだけ普段の生活に近い環境を早くつくるという考え方は、日本でも参考になります。

日本で提唱されている「TKB48」とは?

イタリアの避難所支援を参考に、日本の避難所・避難生活学会が提唱しているのが「TKB48」です。

TKBは、次の3つの頭文字です。

T:トイレ
K:キッチン(温かい食事)
B:ベッド

これらを災害発生後48時間以内に整え、避難生活による二次的な健康被害を防ごうという考え方です。

なお、「TKB48」はイタリアの制度名ではありません。

イタリアの避難所支援から学び、日本の避難所環境を改善するために提唱されている言葉です。

トイレ、食事、寝床は、人が生きていくうえで欠かせません。

災害時だからと後回しにせず、避難生活の初期から環境を整えることが、災害関連死を防ぐことにつながります。

必要な設備と人材を一緒に届ける

イタリアの市民保護では、80万人を超えるボランティアが全国の組織に参加し、避難所の設営や被災者支援などを支えています。

設備だけでなく、それを動かす人材がいることも大きな特徴です。

大きな災害では、被災した自治体の職員自身も被災者になります。

家族の安否を心配しながら、避難所の開設や物資の手配、住民対応などに追われることもあります。

被災自治体だけで、すべての避難所を運営し続けることには限界があります。

そこで必要になるのが、被災していない地域から設備と人材を送り、広域で支える仕組みです。

トイレが届いた後、何日もたってからシャワーが届く。

ベッドは届いたものの、温かい食事を作る設備がない。

それでは、避難生活の苦痛が長引いてしまいます。

トイレ、シャワー、キッチン、ベッドなどを、設置・運営する人材とともにひとつの支援単位として届けることが大切です。

日本でも、イタリアの避難所支援を参考にした実証訓練が行われています。

2025年3月21日には、長野県諏訪市の諏訪湖イベントひろばで、イタリア式避難所システムをもとにした実働訓練が行われました。

この訓練では、被災地の外から人材や設備を運び、温かい食事、ベッド、トイレ、シャワーなどを備えた避難所を設置しました。

設備を備蓄するだけでなく、誰が運び、設置し、運営するのか。

災害時に本当に機能させるためには、日頃からの訓練も必要です。

まとめ🌟避難所で我慢することを当たり前にしない

イタリアは、過去の災害で経験した救援の遅れや連携不足を教訓に、被災地へ人材と設備を届ける体制を整えてきました。

日本でも、イタリアの避難所支援を参考に「TKB48」が提唱されています。

清潔なトイレ。

安心して眠れるベッド。

温かく栄養のある食事。

プライバシーが守られる空間。

これらは、災害時のぜいたくではありません。

被災した人の健康と尊厳、そして命を守るために必要なものです。

災害から助かった大切な命を、避難生活で失わないために。

避難所は、ただ我慢して過ごす場所ではなく、安心して生活を立て直すための場所であってほしいと思います。

イタリアの取り組みを遠い国の話で終わらせず、日本の避難所について私たち一人ひとりが関心を持つことも、災害関連死を防ぐための一歩になるのではないでしょうか。

家庭でできるTKBの備え

避難生活の負担を減らすために、家庭でも「トイレ・食事・休息」の備えを少しずつ整えておくと安心です。

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