災害に備えて長期保存できるパンを用意したいけれど
「非常食のパンは硬くないのかな」
「保存期間が長い食品は、本当においしいのかな」
と気になる方も多いのではないでしょうか。
今回紹介する「ぱんカンぱん」は、製造から5年間保存できる災害備蓄用の缶入りパンです。

実際に食べてみると、非常食というイメージを超える、ふんわりとやわらかく、優しい味のマフィンのようなパンでした。
この記事では、ぱんカンぱんの特徴や味、防災備蓄に向いている理由について詳しく紹介します。
※ぱんカンぱんを製造する工場や、就労継続支援B型事業所としての取り組みについては、こちらの記事で紹介しています。
【内部リンク:「ぱんカンぱん」の工場見学へ|防災備蓄パンを作る就労継続支援B型事業所】
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「ぱんカンぱん」とは?
「ぱんカンぱん」は、三重県松阪市にある就労継続支援B型事業所で製造されている災害備蓄用の缶入りパンです。
高温・真空殺菌製造法によって、パンのやわらかさを保ちながら、製造から5年間保存が可能。
缶切りを使わずに開けられるイージーオープン缶で、1缶にパンが2個入っています。
公式サイトでは、主な特徴として次の内容が紹介されています。
・やわらかなまま5年間保存できる
・缶切りを使わず簡単に開けられる
・1缶に2個入りで分けやすい
・防腐剤や脱酸素剤を使用していない
・幼児から高齢者まで食べやすい
長期保存できるだけでなく、災害時に開けてすぐ食べられることも大きな特徴です。
マフィンのようなパンが1缶に2個入り
缶を開けると、中にはマフィンに似た丸い形のパンが2個入っています。
大きなパンが一つ入っているのではなく、2個に分かれているため、家族と分けて食べやすいのがうれしいポイントです。
一人で食べる場合にも、まず1個だけ食べて、残りをあとで食べることができます。
パンは逆さまの状態で缶に入れられています。

これは、災害時に手を十分に洗えない場合でも、パンの包み紙を持って取り出しやすくするための工夫です。
とてもありがたい心配りですね。
焼き上がったパンを、一つずつ手作業で逆さまにして2個ずつ缶へ入れています。
非常食は、味や保存期間だけでなく、衛生的に食べられるかどうかも大切🌟
災害時の状況を考えた工夫が施されている点も、ぱんカンぱんの魅力だと思います。

チョコ・抹茶黒豆・プレーン・ストロベリーの4種類
今回、私が購入したセットには、次の4種類が入っていました。
⭕️チョコ
⭕️抹茶黒豆
⭕️プレーン
⭕️ストロベリー
味の種類があると、家族それぞれの好みに合わせて選びやすくなります🌟
災害時には、同じような食品が続くことで食欲が落ちてしまうこともあるでしょう。
いくつかの味を備えておけば、その日の気分によって選ぶことができ、食事の楽しみにもつながりますね。
※販売されている味やセット内容は、販売元や時期によって異なる場合があります。
実際に食べた感想
実際に食べてみると、缶入りの長期保存パンとは思えないほど、ふんわりとやわらかな食感でした。
マフィンのような雰囲気で、優しい甘さがあります。
非常食として食べるというより、普段のおやつにも食べたくなる味です。
パンのラベルも明るくかわいらしいデザインで、一般的な災害備蓄品の少し堅い印象とは違います。

自宅の棚に置いておいても親しみやすく、小さな子どもにも受け入れられやすそうだと感じました。
災害時には、不安や緊張によって食欲がなくなることがあります💦
そんなときに、普段から食べ慣れた甘くてやわらかいパンがあれば、少し気持ちが和らぐのではないでしょうか。
写真の右下に写っているのは「あんぱんかん」という限定品です。
県立明野高校の生徒さん・和菓子店「藤屋窓月堂」さん(ともに三重県伊勢市)と共同開発した商品です。
お芋のあんがぎっしりと入っていて、とても美味しかったです🌟

製造から5年間の長期保存
ぱんカンぱんは、製造から5年間保存できます。
長期保存が可能なのは、社会福祉法人江差福祉会が開発した、高温・真空殺菌製造法によるものです。
パンを缶に入れたあと、中の空気を抜きながら密封し、高温の蒸気で殺菌します。
完成した商品は、食品検査機関で毎月細菌検査などが行われています。

工場内でも、X線による異物検査、缶の真空状態、缶の傷などを確認し、安全性を確認したものだけが出荷されています。
5年間保存できるため、毎年買い替える必要がなく、家庭だけでなく、会社や学校、福祉施設などの備蓄にも向いています。
ただし、缶の底などに記載された賞味期限は定期的に確認しておきましょう🌟
卵を使用していないパン
工場見学の際に伺ったところ、ぱんカンぱんのパンには卵が使用されていませんでした。
卵を避けている方にとっては、災害備蓄品を選ぶ際の選択肢の一つになります☺️
ただし、「卵不使用」であっても、すべての食物アレルギーに対応しているとは限りません。
味によって使用されている原材料が異なる可能性もあります。
食物アレルギーのある方は、購入時に必ず缶に記載された原材料やアレルギー表示を確認してください。
製造工場内でほかのアレルギー物質が使われている可能性についても、必要に応じて製造元へ確認することをおすすめします。

防腐剤・脱酸素剤を使用していない
ぱんカンぱんでは、防腐剤や脱酸素剤を使用していません。
一般的な長期保存食品では、食品と一緒に脱酸素剤が入っている場合がありますが、ぱんカンぱんは高温・真空殺菌製造法によって長期保存を実現しています。
缶を開けたときに脱酸素剤を取り除く必要がないため、暗い場所や慌ただしい災害時にも食べやすいと思います。

缶切り不要で開けてすぐ食べられる
缶は、缶切りがいらないプルトップ式です。
災害時に缶切りが見つからなくても、ふたのリングを引き上げれば開けられます。
水、電気、ガスを使わず、そのまま食べられるため
・停電しているとき
・断水しているとき
・カセットコンロが使えないとき
・避難所で調理ができないとき
・車中避難をしているとき
など、さまざまな状況で役立ちます。
非常食は、長く保存できるだけでなく、災害直後の混乱した状況でも簡単に食べられることが重要です。

缶入りだからつぶれにくい
缶入りパンは、パウチタイプのパンと比べると少しかさばり、価格も高くなる場合があります。
一方で、缶が外からの衝撃を防いでくれるため、中のパンがつぶれにくいという大きなメリットがあります。
災害時の支援物資は、トラックで運搬されたり、何度も積み替えられたり、ほかの荷物と重ねて保管されたりします。

パウチタイプは軽くて収納しやすい反面、重い荷物の下になると、パンがつぶれる可能性があります。
工場見学で伺ったお話では、東日本大震災を経験した福島県では、パウチタイプよりも缶入りタイプが好まれる傾向があったそうです。
実際に大きな災害を経験した地域だからこそ、長期保存だけでなく、
「運搬しても中身を守れるか」
という点も重視されているのだと思います。
甘いパンは災害時の心の支えにも
災害時の食品には、エネルギーや栄養を補給する役割があります。
それと同時に、おいしいものを食べることは、気持ちを少し落ち着かせる助けにもなります。
避難生活では、慣れない環境や余震への不安、睡眠不足などによって、心身ともに疲れてしまいます。

甘くてやわらかいパンは、子どもから大人まで食べやすく、食事というよりも、おやつに近い感覚で口にできることがあります。
「おいしい」と感じられる食品を備えておくことも、大切な防災の一つです。
子どもや高齢者の備蓄にも
ぱんカンぱんは、やわらかな食感で、公式サイトでは幼児から高齢者まで食べられるパンとして紹介されています。
ただし、やわらかいパンでも、食べるときには口の中の水分が取られることがあります。
特に小さな子どもや高齢者が食べる場合は、飲料水やお茶などを一緒に用意し、少しずつ食べることが大切です🌟
飲み込みに不安がある方の場合は、本人の状態に合った食品を別に備えておきましょう。
「家族全員が同じ非常食を食べられる」と思い込まず、それぞれの年齢や体調に合った備蓄を用意することが大切です。
どのくらい備蓄すればいい?
缶入りパンだけで必要な食事をすべてまかなうのではなく、ほかの備蓄食品と組み合わせるのがおすすめです。
たとえば
・アルファ化米
・レトルトのおかず
・缶詰
・栄養補助食品
・飲むゼリー
・野菜ジュース
・お菓子
などと一緒に備えておけば、食事の種類を増やせます。
パンは主食やおやつとして取り入れ、たんぱく質や野菜を補える食品も用意しておくと、災害時の食生活が偏りにくくなります。
また、パンを食べるための飲料水も忘れずに備蓄しましょう。

ローリングストックにもおすすめ
5年間保存できる商品ですが、収納したまま忘れてしまうのではなく、定期的に賞味期限を確認することが大切です。
賞味期限が近づいたものを家族で食べ、新しい商品を買い足す。
このようなローリングストックに取り入れることで、下記の内容を事前に確認できます。
・家族の好みの味
・缶の開け方
・パンの大きさ
・食感や甘さ
・1缶でどの程度満足できるか

災害時に初めて食べる食品ではなく
「以前食べて、おいしかったパン」
が備えてあることは、大きな安心につながります🌟
子どもがいる家庭では、実際に一度食べてもらい、どの味が好きか確認しておくのもオススメです。
保管するときの注意点
長期保存できる缶入りパンでも、どこに置いてもよいわけではありません。
商品に記載された保存方法を守り、高温多湿や直射日光を避けて保管しましょう🌟
また、缶に強いへこみ、さび、膨らみなどがある場合は、中身に問題がないか注意が必要です。
購入後は一か所にまとめて保管するだけでなく、下記のような取り出しやすい場所に分散しておく方法もあります。
・キッチン
・防災収納
・寝室の持ち出し袋
・車内以外の温度変化が少ない場所
なお、車内は夏に非常に高温になるため、食品の保管場所として適しているか、必ず商品の保存条件を確認してください。
ぱんカンぱんは防災と福祉をつなぐパン
ぱんカンぱんは、5年間保存できるおいしい災害備蓄用パンです。
しかし、この商品の魅力は、保存期間や味だけではありません。
ぱんカンぱんは、就労継続支援B型事業所で、障害のある方が職員さんの支援を受けながら作っています。
商品を購入することが、家族の備えになると同時に、利用者さんの仕事や工賃を支えることにもつながります。
おいしく食べられて、災害への備えになり、誰かの働く場所も応援できる。
ぱんカンぱんは、そんな温かなつながりを持った防災食品です。

実際に食べて備えることが大切
非常食は、「持っていること」だけで安心してしまいがちです。
しかし、本当に大切なのは、災害が起きたときに問題なく食べられることです。
一度缶を開けて家族で食べてみると、
「思っていたよりやわらかい」
「この味が好き」
「飲み物も一緒に必要だね」
など、備蓄するだけでは分からなかったことに気づけます。
わが家でも、非常食を特別なものとしてしまい込むのではなく、普段の暮らしの中で食べながら備えていきたいと思います。
5年保存できる、やわらかくて優しい味のぱんカンぱん。
災害時の空腹を満たすだけでなく、不安な気持ちにも少し寄り添ってくれるパンではないでしょうか。



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