災害時の避難所では、「洗濯できるか」に目が向きがちです。
でも、洗った後の衣類をどこに、どうやって干すかも大切な問題です。
特に下着は、人目につく場所に干しづらいもの。
寝る場所がカーテンで仕切られていても、その中に洗濯物を干せる広さや風通しがあるとは限りません。
この記事では、避難所の洗濯物に関する困りごとと、プライバシーに配慮した物干し場の考え方、家庭でできる備えをまとめます。

避難所では「洗っても干せない」ことがある
断水中は洗濯に使う水を確保すること自体が難しくなります。
水や洗濯設備が使える段階になっても、避難所内に物干し場が用意されていなければ、別の問題が残ります。
体育館などの共同生活では、人の出入りが多く、洗濯物を見られることが気になる場合があります。
とりわけ下着は、共用の通路や寝床の周辺に干すことをためらう人もいるでしょう。
内閣府は、避難所の生活環境を改善するためのガイドラインを公表しています。
また、令和6年能登半島地震については、ランドリーカー、移動式ランドリー、洗濯代行といった支援を事例集にまとめています。
洗濯と乾燥を一緒に支援する方法もあり、状況に応じてさまざまな選択肢を用意することが重要です。
内閣府「避難所の生活環境対策」、内閣府「入浴支援、洗濯支援の好事例集」
物干し場をつくるなら、何が必要?
私が避難所で提案したいのは、次の2つの場所を別々に確保することです。
- 女性専用の物干し場
女性が下着などを安心して干せる場所。 - 性別を問わず使える共用の物干し場
男性や思春期の子どもなど、洗濯物を人目にさらしたくない人も利用できる場所。
共用の物干し場は、誰か一人が洗濯物の乾くまで個室を占有する形ではありません。
複数の人が使える場所を設け、その物干し場全体を外から見えないようにするイメージです。

場所を決めるときには、次の点を確認したいですね。
- 通路などから洗濯物が見えない
- 湿気がこもらず、乾かすための風が通る
- 安全に行き来でき、夜間も入口が分かる
- 利用方法や干す時間が避難者に伝わる
- 避難経路や消火設備をふさがない
空き教室や仕切った一角が使えるかは、施設の構造や避難者数によって変わります。
こうした2区画の設置は私からの提案であり、国がすべての避難所に同じ形で設けている設備という意味ではありません。
内閣府のガイドラインも、地域の実情に応じて避難所の対応を検討することを求めています。
避難所に物干し場がないときは
まず、運営者に利用できる場所や洗濯・乾燥支援の予定を確認しましょう。
伝える際は、例えば次のように言えます。
「下着や衣類を人目に触れず干せる場所はありますか。女性専用と、誰でも使える場所の両方があると助かります」
一人で言いづらければ、避難所の意見箱や、相談しやすい運営スタッフを通じて伝える方法もあります。
運営側も、洗濯物の困りごとを避難者に尋ね、必要な場所を一緒に考えることが大切です。

家庭でできる洗濯の備え
物干し場や洗濯支援が整うまでに備えて、持ち出す衣類を考えておきましょう。
- 下着と靴下の予備
- 乾きやすい着替え
- 小さな洗濯ネット
- タオルや洗濯ばさみ
- 必要に応じて使い捨て下着
荷物を増やしすぎないよう、家族の人数や持ち出せる量に合わせて選ぶのが現実的です。
濡れた衣類を袋の中に長く密閉せず、干すときは避難所のルールを確認しましょう。
内閣府の備蓄チェックシートには、女性用品として使い捨て下着等も追記されています。

まとめ|干す場所まで考えておきたい
災害時の洗濯は、水や洗濯機を確保して終わりではありません。
安心して干せる場所、乾燥までできる支援、そしてプライバシーへの配慮が必要です。
地域の避難所運営訓練では、「洗濯物はどこに干すか」「下着を人目に触れず干せるか」も確認してみませんか。
小さく見える困りごとを、平時のうちに話し合っておきたいです。
家庭で備えておきたいもの
避難所で洗濯や物干しができるまでの間に備えて、使い捨て下着や速乾性の下着を用意しておく方法もあります。
必要な枚数やサイズを、普段のうちに確認しておくと安心です。
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