日本と同様に、地震大国である台湾。
驚くべきことに、台湾では大地震が発生したわずか3時間後には、避難所が設置されます。
日本では、想像がつかないハイスピード💦
この避難所では、被災者が少しでも快適に生活ができるように工夫されています。
プライベートを守る個室テント、食事支援、温水シャワー、トイレ、冷暖房がその一例です。

相反して、日本の避難所のシステムは、数十年前とほとんど変わっていません。
避難所=体育館で(皆で耐えながら)雑魚寝というイメージが強いですね。
日本の避難所は、被災したエリアの自治体が設置することになっています。
被災者でもある自治体の職員が避難所を設置する・・・あまりに酷です。
対応が遅れるのも当然だと思われます。
皆で我慢するのは、日本の美徳と言われますが、災害時には命に関わります。

この記事では
🇹🇼台湾の防災対応が速い理由
🇹🇼行政・市民・デジタルが連携する仕組み
🇹🇼日本の防災に活かせるポイント
を防災目線で分かりやすく説明します。
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🇹🇼 台湾の災害対応がすごいところ
台湾は日本と似ていて、地震・台風が多い国です。
災害が起こる度、助け合ってきた台湾と日本ですが、災害対応に関しては・・・
台湾が日本より先行しているのが現状です。

① 地震速報と情報共有が異常に早い
- スマホの緊急地震速報が爆速
- テレビ・ラジオ・SNS・デジタル掲示板が一斉連動
👉「知らなかった」が起きにくい
② 災害時のIT活用が進んでいる
- 避難所の混雑状況をリアルタイム公開
- 物資の不足情報も見える化
👉 無駄な移動・混乱を防げる
③ 学校教育で防災が当たり前
- 小さい頃から防災教育を繰り返し学んでいる
- 避難訓練
- 家族との安否確認方法
👉 災害時に「大人を待たない子ども」が多い

🇹🇼 台湾の防災の強み 〜具体的な対応・仕組み〜
1. 緊急情報の全国一斉配信システムが超はやい
台湾では、毎年行っている配信システムの全国訓練があります。
それは、地震・津波などの緊急速報をスマホに一斉配信するというもの。
「国家防災日(9/21)」に合わせて実施され、発信タイミングや市民の行動を確認します。

2. 避難所の設置が早くて快適・工夫が多い
2024年に、台湾の花蓮で起きたマグニチュード7.2の地震。
その際、地震発生から数時間以内に、避難所がどんどん開設されました。
実際の報道や視察では、下記のような声が、日本のメディアやSNSでも伝えられています。
⭕️開設が早い
⭕️個室テントでプライバシー確保
⭕️冷暖房・温水シャワー・トイレが設置
⭕️食事・衣類・日用品・医療支援が整っている
⭕️Wi-Fi無料完備
⭕️無料通話サービス
⭕️多言語対応や宗教別スペースなど細かな配慮あり
⭕️キッズスペースにゲームやおもちゃがある
⭕️クリーニング無料、オイルマッサージ無料
⭕️訓練されたボランティアの質が高い
「お見事です👏👏」という言葉がピッタリの素晴らしい対応です。
日本でも、台湾の避難所の設営スピードと運営の丁寧さを「見習いたい」と話題となりました。

3. 官民一体の大規模防災訓練を実施
台湾では、有事や災害を想定した「官民一体型の行動避難演習」が毎年実施されています。
2025年には、従来の演習を統合した新たな形式が導入され、重要インフラ破壊や災害複合シナリオに対応する訓練も行われました。
このような訓練の積み重ねで、災害対応が日常的にブラッシュアップされているのです。
※参加義務:台湾に居住する市民だけでなく、旅行者も対象となります。
指示に従わない場合は罰金が課せられることがあります💦

4. 救助・復旧・支援活動の連携が強い
台湾では、災害対応における官民連携が非常に強く、迅速な災害対応体制が構築されています。
主な特徴は以下の通りです。
🇹🇼法制度に基づく連携(災害防救法に基づく)
🇹🇼平時からの協力関係(行政と民間支援団体が平時より共同活動を実施)
🇹🇼民間主体の迅速な支援(行政からの要請を待たずに民間団体が自発的に動き出す)
🇹🇼総合的なボランティア活動(物資提供だけでなく、温かい食事の提供、子供の遊び相手、マッサージなど、被災者の精神的・身体的ケアを行う総合的な支援活動が展開)
🇹🇼旺盛な寄付文化(「良い行いをすれば良い報いがある」という信仰心や文化的背景による)
🇹🇼国際的な支援の経験(台湾は国内外での災害支援活動が豊富で、日本との相互支援を持つ)
また、若い世代への防災教育・訓練も進んでいて、将来の防災リーダー育成まで視野に入れていることも素晴らしいです。

5. デジタルとAIの活用で予測・情報発信を強化
台湾中央気象署は、AIを活用した気象・台風予測にも取り組んでいます。
予測の精度アップ➡️早期の避難勧告発信に繋がる可能性がありますね。
🧠 台湾防災のポイントまとめ
台湾は、地震・台風・土砂災害などの多発地帯ゆえに、これらの仕組みを長年磨いてきました。
特に「平時の準備の質」が、発災後のスピードと対応の丁寧さに直結していると言われています。
| ポイント | 内 容 |
|---|---|
| 🚨 情報配信 | 全国一斉速報&訓練で住民行動を最適化 |
| 🏕️ 避難所対応 | 早い設置と生活支援体制 |
| 🤝 官民連携 | 定期的な大規模訓練で連携強化 |
| 🚑 救助&支援 | 即応チームと復興支援が一体 |
| 📊 デジタル活用 | AI・データで予測と情報伝達を強化 |
余談・・・台湾と日本の違い
見事な防災大国である台湾ですが、最初から優れていたわけでがありません。
2018年に起きた地震の際は、避難所に身を寄せた被災者達が、プライバシーがない空間で身を寄せ合っていたと言います。
その現状を見て、特別な個室テント(2人組で30秒で設置可能)が開発されました。
(この個室テントの素材は、ペットボトルをリサイクルしています。)
地震大国である日本も、経験値は十分にあります。
日本ほどの先進国ならば、先端技術の粋を集結して、更なる災害対策が可能と思われます。
ところが、日本の災害に対する初動は遅いと言っていいでしょう。
なぜか???
これは、日本が「責任の所在」を最優先する国だからだと、私は思います。
失敗しない仕組みを重視しすぎて、初動が遅れてしまう・・・これが現状。
これに対して、台湾は「まず動いて、あとで修正する」のが前提の国です。
この違いが、非常に大きいと痛感します。

誤解しないでいただきたいのですが・・・
災害後、被災者のために必死で活動をしてくださる自衛隊・警察・消防・医療従事者・自治体の方々に、私は深い敬意を払っています。
ただ、初動が遅れてしまうと、どうにもならないことがあります。
今後の日本の防災体制が、台湾のように進化することを心より願っています。
でも、残念ながら、すぐには変わらないでしょう。。。
だからこそ。
日頃からの防災が命を守ります。
まずは自分自身で、できるところから始めましょう。
何もかも他人や行政に頼るのではなく。
備えましょう、自分自身で。


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